仕事をしながら勉強するのって、想像以上に体力と気力を使います。「やる気はあるのに、机に向かうまでが遠い」「週末にまとめて…と思って結局疲れて終わる」。そんな日が続くと、勉強そのものが重荷に感じてしまうこともあります。
ここでは、気合や根性に頼らず、“しんどさを減らしながら続ける”ために実際に効果が出やすい工夫を3つに絞って整理します。
仕事をしながらの勉強がしんどい時は、「頑張り方」ではなく「続く形」に作り替えるのが近道です。
そのために効果が出やすいのが、次の3つです。
やる気に頼らない:勉強を“自動開始”できる形にする
努力量より方式:覚え方を“定着する形”に寄せる
削らない:睡眠を守って“回復と記憶”を味方にする
どれも派手さはありません。でも、静かに効いてきます。
状況を整理する(思考整理)
しんどさの正体は、だいたい次の3つに分解できます。
1)時間がない、というより「余白がない」
社会人の学習は、まとまった時間よりも、仕事の疲労・家事・人間関係などで、“頭の余白”が削られやすいのが特徴です。空き時間が少しあっても、脳が切り替わらないと勉強は進みません。
2)勉強が「重いタスク」になっている
勉強は、始める前が一番しんどい。やることが曖昧だったり、教材を開くまでに手順が多かったりすると、学習そのものより準備の摩擦で止まります。
3)努力の割に成果が見えない
勉強時間を確保しても、やり方が「読んで満足」になっていると、記憶が定着しにくく、達成感が薄くなります。すると「やっても変わらない」が積み重なって、気持ちが折れやすい。
この3つを、ひとつずつ軽くしていくのが今回の方針です。
選択肢を並べる(比較・判断軸)
ここから、効果が出やすい工夫を3つ紹介します。判断軸はシンプルで、「疲れていてもできるか」「続けやすいか」「成果が見えるか」です。
結論:勉強を“意思決定”から外すと、ぐっと楽になります。
仕事後は、決断する力が落ちやすいです。だから「今日はやる?やらない?」と自分に問うほど、しんどくなります。ここで有効なのが、行動科学でよく研究されているIf-Then(もし〜なら)プランです。「もし○○の状況になったら、△△をする」と決めておくと、行動が起きやすくなると報告されています。
具体的にやること(シンプル版)
ポイントは、“短く、具体的に、毎日同じ”です。
もし帰宅して手を洗ったら、机に座ってテキストを開く(1分)
もし夕食後に食器を置いたら、単語を10個だけ確認する(3分)
もし電車に乗ったら、過去問アプリを1問だけ解く(2分)
ここで大事なのは、学習量ではなく開始の固定。最初から30分を狙わない。1〜3分で十分です。
さらに効いた小技:25分にこだわらない「短い集中」
「短い区切りで集中→短い休憩」という形は、精神的ハードルを下げやすいです。いわゆるポモドーロのような集中と休憩を区切る方法は、学習場面での文脈整理や疲労対策として扱われることがあります。ただし、万能ではないので、15分でも10分でも“始められる長さ”に寄せてOKです。
この方法が向いている人
「勉強するかどうか」で毎日迷ってしまう
帰宅後、気づくとスマホで時間が消える
やる気の波が大きい
結論:同じ時間でも、成果の出方が変わります。
しんどい時に一番ダメージが大きいのは、「時間を使ったのに覚えてない…」という感覚です。
そこで効きやすいのが、間隔を空けて復習する(間隔反復)という考え方。学習を“まとめて一気に”ではなく、“分けて繰り返す”方が、定着に有利になりやすいことが複数研究で示されています。
具体的にやること:3点セット
超短いインプット(5〜10分)
すぐ1問だけアウトプット(1〜3分)(思い出す・解く・口に出す)
翌日・3日後・1週間後に再テスト(復習ではなく“再チャレンジ”)
「復習=読み返し」になりがちですが、“思い出す”を挟む方が、勉強した実感が残りやすいです。
例:資格勉強(インプット中心になりやすい人向け)
今日:テキスト2ページ → 章末問題を2問だけ
明日:昨日の章末問題をもう一回(解けなければ答えを見てOK)
3日後:同じ問題をもう一回
1週間後:同じ範囲の過去問を1問だけ
量は少なく見えますが、“忘れかけた頃にもう一度”が積み上がると、結果的に強いです。
この方法が向いている人
勉強しているのに定着しない
テキストを読んだだけで終わってしまう
休日にまとめてやって忘れる、を繰り返している
結論:しんどい時ほど、睡眠を削ると学習効率が落ちやすいです。
仕事と勉強を両立していると、最後に削られやすいのが睡眠です。でも、睡眠不足は新しい記憶の獲得や定着に不利になりうる、という知見が積み重なっています。
ここが重要で、睡眠を削って“勉強時間を増やす”ほど、翌日のパフォーマンスが落ちて取り返しにくくなることがあります。しんどい時の学習を支えるのは、気合よりも回復です。
具体的にやること(現実的な守り方)
平日はまず「寝る時刻」を固定する(起床より優先でもOK)
勉強は寝る90分前までを目安に切り上げる(頭のクールダウン)
夜にやるなら「重い理解」ではなく、軽い復習・確認にする
どうしても時間がない日は、勉強を休む代わりに“翌日の学習を1分で開始できる形”だけ作って寝る
例:教材を開いた状態にして置く/次に解く問題に付箋を貼る
この方法が向いている人
夜型になって、翌日がつらい
眠いのに無理して勉強して、内容が入らない
週末に寝だめしてリズムが崩れる
判断するときの注意点
最後に、やり方を選ぶ時に“しんどさを増やさない”ための注意点を3つだけ。
注意点1:完璧な計画を作らない
計画は立派でも、崩れた瞬間に自己否定が始まると続きません。おすすめは、Plan A(通常)とPlan B(疲れた日)を最初から用意すること。
Plan A:15分+問題3問
Plan B:3分+問題1問Bがあると、途切れにくくなります。
注意点2:比較対象を「昨日の自分」に戻す
SNSや周りの人と比べると、学習は急に苦しくなります。社会人の勉強は、速さより継続の設計が勝ちやすい。昨日より1分でも前に進んだら、それは十分に積み上げです。
注意点3:「しんどい」を問題にしすぎない
しんどい日があるのは自然です。大事なのは、しんどい日にゼロにしない仕組みを持つこと。ゼロにならなければ、また戻ってこれます。
仕事をしながら勉強するのがしんどい時に、実際に効果が出やすい工夫は次の3つです。
If-Thenで“自動開始”を作る(迷う回数を減らす)
「読む」より「思い出す」+間隔反復で定着させる(成果を感じやすくする)
睡眠を守って回復と記憶を味方にする(効率を落とさない)
全部を一気に変えなくても大丈夫です。
まずは、いちばん苦しいところを1つだけ軽くする。
たとえば今夜なら、
「勉強は3分でいいから、明日始めやすい形にして寝る」でも十分です。
続けるためのコツは、あなたを追い立てることではなく、戻ってこれる道を残しておくことなのかもしれません。


